カウンセリングを受けたいという3つの場合
1.話を聴いてほしい。。。わかってほしいという時。
例えば、何かのことで、かなり長くいた職場を、辞めてしまいたいと思ったとします。
もう疲れてしまって、身も心もずたずたで、足も向かない。
職場の人も、声をかけてくれるが、どうも、話す気になれない。
この先どうしようかと思いながら、でも、頭も胸も一杯で、どうしていいかわからない。
身内には心配させたくもないし、話したくないし。。。。
悩みや苦しみは、多くの場合、誰にでも話せるものではありません。
でも、どうしていいかわからずに悶々とします。
そんな時、カウンセラーは、まず、じっくりと話を聴いていきます。
自分の気持ちを整理しながら、丁寧に丁寧に、耳を傾けてくれる人に話をすると、スーッと気持ちが軽くなっていきます。
それまで、一人で悩んでいたことが、ひろがるような、一人でない気がして、ふっと、心と身体がだいぶ軽くなっていくのを感じます。
「これなら、何とかやって行けそうだ」そんな気持ちになります。
もちろん、一定の、アドバイスも必要です。また、休養やお薬が必要な時もあります。
でも、まずは、話をよく聴いて、それから。。です。
カウンセラーは、クライエントさんの中に、問題だけでなく、これから、この人は、このことに出会って、どんな人生を生きていくのか、その可能性を考えます。
2.そうだねって、力づけてほしい時。
誰かに相談するとき、たいてい、もう自分の中に、なんとなく答がある時があります。
だから、それを、”だいじょうぶ”と後押ししてほしい時もあります。
恋愛や結婚、離婚、就職などといった「人生の重要な場面で、決めなくてはならない時」
そんな時、自信をもって判断できる人は、あまりいません。
でも、カウンセラーは、「ええ、その人と結婚して大丈夫ですよ。」とは、言えません。
人生の主役は、あなた自身だから。
あなたの人生を決めるのはあなた、その機会を奪ってはいけないし、代われません。
その代り、自分で決めようとしているけれど、決められない、「その不安な気持ち」に、応えその気持ちにより添って、一緒に考えようとします。
クライアントさんは、「そうか、そうだったんだ」と、自分の内側の気持ちを確かめていくことができます。
そこで、本当の問題は、結婚相手のことではなく、新しく何かを始める時の、自分の不安とどう向き合うかだったと気が付いたりします。
3.アドバイスがほしいと思う時。
「こんな時は、こうしてください」
専門家なんだから、そんな指摘がたくさんほしいと思います。
具体的にアドバイスすることもありますが、カウンセリングの中心ではありません。
なぜならほとんどのアドバイスは、クライアントさんが、たくさん考えた内容であることが多いのです。
かえってそんな時は、「そうわかっていても、そうできないつらさ」をわかってもらえないという気持ちばかり強くなったりします。
カウンセラーは、その方の悩みをよく理解して、その方をわかろうとしていきます。
クライアントさんは、話していく中で、「こうやってみようかな」などと、自分の思いに気づいていくのです。
4.人生相談との違い
人生相談や占いの回答者の方は、ご自分の人生経験から、かなりスパッと「こうしたらいい、それではだめだ」と言われます。
とても明快で、スッキリするときがあります。
カウンセリングは、一方的に答えを与えるのではなく、お話を聴くことによって、クライアントさんの自己探索、自己決定、自己解決の過程を共にして行きます。
この過程は、簡単でなく、時間がかかったり、苦しい時もありますが、その方を支え見守り続けていきます。
アドバイスも必要な時にしていきます。
カウンセラーとクライアントは、一緒に、クライアントさん自身の内側から発せられてくる「心の声」に、耳を澄ませていくのです。